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避暑地へ逃げるぜ!行き先はウッティ。(前編)

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コーチで楽しみにしていたホーリー祭も無事終わり、数日間はホーリーの余韻に浸りながらコーチやエルナクラムを散策していた。エルナクラムには大きなショッピングモールがあったり至る所でスパイスが豊富に売られていてなかなか見飽きない街だった。ただめちゃくちゃ暑かったので昼間は観光が出来ないのが残念だった。

全部同じスパイスに見えるけど違うみたい
ショッピングモールもかなりでかい!

けど十分にコーチ、エルナクラムを堪能したのでどこか移動することにした。むしろこの暑さから逃げたいとさえ思い始めていた。

だから移動先の条件としてどんなに遠かろうがまず涼しいところをだった。

そしてその場所が見つかるまでに多くの時間は必要なかった。理由は聞いて回ったインド人すべての答えがウッティだったからだ。そんなに涼しいところなのかウッティとやらいう場所は。




その夜ウッティについて調べてみるとインド人の避暑地として多くの人が訪れている有名な場所だった。しかもここコーチからもそんなに遠くない。他にも茶畑やニルギリ鉄道、絶景ポイントもあり興味のそそられる物ばかりだった。

どうやら住民たちの情報だとエルナクラムからウッティは電車やらバスを乗り換えしながら行けるみたいだ。

電車とバスの旅。悪くない。

先ずはコインバトールという街まで電車で行けるらしい。そしてバスに乗り換えてメトゥパラヤムまで行ってそこから蒸気機関車に乗ってウッティまで行くらしい。今日の目標を世界遺産になっている蒸気機関車ニルギリ鉄道が出発するメトゥパラヤムと言う街まで行くことにした。上手くいけば夜の10時くらいには着きそうだ。

電車のチケットはネット上で確認できた。エルナクラムからコインバトールまで 3Aシートで500ルピー前後、2Aシートだと700ルピー前後だった。SLシートだと150ルピー前後でかなり安い。けどこれだとエアコンも無いし客の質が悪くなるので盗難をされるリスクが高くなる。

時間帯によって同じシートでも値段がバラバラだった。値段に多少のバラつきがあるがどれも良心的な値段だったのでネットから購入を試みた。が、肝心の購入方法がよく分からなかったので、翌朝エルナクラムの駅まで行って直接買うことにした。

とりあえずエアコンが付いてれば良かったので3Aシートを予約してみることにして駅へ向かった。

駅の中は朝から家族連れや旅行者、怪しいインド人でごった返していた。さすがインド。窓口までは列なんか無く、人混みをかき分けて進むしかなかった。

インド人は皆こんなに雑な物かと思ったが、受付の人は意外と丁寧な対応で好印象だった。しかも欲しかった午後3時のチケットはまだ残っていて、ネットで確認していた値段と一緒だったのでその場で購入した。

電車の中は涼しいがインド人が暑苦しい!

出発まではあと2時間、外を出歩くには暑すぎる。駅の中は涼しいがインド人が暑苦しすぎる。間を取って駅のホームのベンチで待機することにした。ここが意外とよく、少しの暑さと少しのインド人のウザ絡みを我慢すれば快適だった。

そして電車は30分ほど遅れてやってきた。インドの30分遅れなんて定刻通りか、むしろ早く来すぎたんじゃないかと言うレベル。非常に順調だ

さっそく電車に乗り込み指定されている座席を見つけるも安定の

知らないインド人ファミリーあたかも自分たちの席かの如く占領”

をされていた。全然立ち去る気もないし、むしろお弁当まで広げている。家族団らんしていて楽しそうだ。アジア人が珍しいのかクリクリしたかわいらしい目でこちらをチラチラ見てくる。

けどこんなことじゃ動じなくなってきた。こんなザコ敵相手に動揺がばれたら負けである。インドに来てすでに何日か過ごしているのでこの手の退治の仕方は心得ていた。

先ずは、動揺がばれないように笑顔や怒った顔をせず能面のような表情を作る。そしてナイフでも突き刺すような口調で一言

”どけ”

と言えばいい。その一言だけですぐ出ていく。本当にただそれだけでいい。

余計なことをごちゃごちゃ言ってしまうと、相手も突っかかってくる。相手はインド人、喋りだすと止まらない。

無表情で一言言ってやるだけで良いのだ。

案の定その家族は文句も言わずそそくさとお弁当を片付け、どこか違う車両へと移動していった。




しかし彼らを追っ払った後もゆっくりはできなかった。同じ車両の周りのインド人複数グループからの質問攻めが待ち構えていたのだ。しかも車両の中はほぼ。女性も一応いるのだがシャイでなかなか話そうとしてこない。
彼らは15人ほどいる。皆ギョロっとした目ん玉と立派なヒゲを蓄え、お腹はチャイの飲みすぎなのであろうシャツのボタンの隙間からはみ出ている。そんな彼らからゼロ距離でジロジロみられるのは、まさに事情聴取か一種の拷問だった。

どこ出身だ? 日本にサムライはまだいるのか? インドへ何しに来た? 日本の新幹線のシステムがインドでも導入されようとしてる!インドのご飯を持ってるから食べてみろ!(4組から言われた)、インド料理は好きか? など目的地のコインバトールに到着するまで一息も入れる間もなく質問攻めにあった。

けどなぜか嫌いじゃなかった。むしろ知らない事をたくさん聞けたし、謎のインド料理も食べさせてもらってとても有意義な時間を過ごせた。エルナクラムからコインバトールの5時間の移動はインド人によって体力をほぼ0にされたがあっと言う間の出来事だった。

とりあえずインド人を信頼してみる!

5時間の長旅もインド人と共にすれば一瞬でコインバトールへ到着した。時間はすでに夜の8時になっていて駅前の街のネオンが眩しかった。

駅前

トゥクトゥクやタクシーのドライバーが沢山いるが一切勧誘がない。しかもうろついている若者が沢山いる。友達を待っているのか駅周辺の若者は電話をしてる人が多かった。そしていろんな人からジロジロ見られている気配だけはすごく感じた。かと言って別に危険を感じるわけではなかった。

それとコインバトールの人はケララの人に比べ歩くスピードが1,3倍ほど早い気がした。そして着ている服もここコインバトールではTシャツにジーンズの人が増えている。ケララの男性は上はシャツで下はルンギーを着てる人が多く、皆おっとりしている印象だった。ケララ地方からコインバトールまで170キロしか離れていないのに、まるで違う国に来たみたいだ。

けどインド人の優しさはコインバトールに来ても一緒だった。メトゥパラヤム行きのバスがどこから出ているか分からなかったので、比較的信頼できそうな人を探した。夜も遅く終電がいつか分からなかったのでなるべく急いで乗りたかった。すると丁度、子供を連れた信頼できそうな30歳くらいの男性が目の前に現れた。

すぐさま尋ねるとそのバス停まで案内してくれた。駅からバス停までは3分程の距離だったが一緒にそこまで連れてってくれたことに感動した。そしてスマホでいろいろ調べてくれて、32Aのバスに乗りニューバススタンドと言う場所で降りてメトゥパラヤム行きのバスに乗り換える必要があるとまで教えてくれた。しかも最終便まで残りわずかだったみたいだ。子供にもありがとうと言ってお別れをした。

インドに来て初め一人のインド人だけを信じて知らない道を進んでいったが、疑うと言う作業をなくすだけで、”なんて今まで余計な体力を消耗してきたんだろう”と痛感した。だが不思議とこの余計な作業を止めようとは思わなかった。

ニューバススタンドまでは20分で着いた。お値段なんと4ルピー鬼安。ぼったくらないところもステキ

そして無事メトゥパラヤム行きバスに乗り換えることができた。後は到着後に宿を見つけるだけ。ただメトゥパラヤム行きのバスの中は夜も遅いのに音楽ガンガンでカオスだった。

今日は朝からインド人と絡み上げ、しゃべってしゃべって喋りまくったおかげで顎と頭のネジ外れた。毎日こんな感じだったら脳みそが3つあっても足りない。

しかも何が怖いって、まだ1日は終わっていなかった。

この1日の続きは次の記事で書くことにする。




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